クラウドコンピューティングのメリットとデメリット
クラウドコンピューティングは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で欠かせない技術です。
しかし、それは決してパンセア(万能薬)ではありません。
本記事では、クラウドコンピューティングのメリットとデメリットについて、具体的な事例を交えて解説します。
1. クラウドコンピューティングのメリット
クラウドコンピューティングのメリットは大きく3つに分けられます:「コスト削減」、「スケーラビリティ」、「アクセシビリティ」です。
コスト削減
物理的なITインフラストラクチャーを持つための初期費用や維持費用を大幅に削減できます。
Netflixは、AWSのクラウドサービスを活用することで、データセンターの維持や運用にかかるコストを抑えています。
スケーラビリティ
需要に応じてリソースを増減させることが容易になります。
この柔軟性は、一時的なトラフィックの増加に対応するため、例えば、Black FridayやCyber Mondayなどのショッピングイベントの際にAmazonがAWSを活用する好例です。
アクセシビリティ
クラウドに保存されたデータは、インターネットに接続されたどのデバイスからでもアクセス可能です。
これにより、リモートワークや在宅勤務が容易になります。
新型コロナウイルスのパンデミックが広がった2020年以降、この特性は、多くの企業が急速にリモートワークへとシフトする際に重要な役割を果たしました。
2. クラウドコンピューティングのデメリット
一方で、クラウドコンピューティングにはいくつかのデメリットもあります。
それらは主に「セキュリティ懸念」、「依存度」、「隠れたコスト」です。
セキュリティ懸念
データが自社の管理下にないため、データ漏洩のリスクが存在します。
また、クラウドサービスプロバイダーがサイバーセキュリティ対策をどの程度取っているか、不透明な場合もあります。
依存度
特定のクラウドサービスプロバイダーへの過度な依存は、そのサービスへのアクセスが制限されるリスクを孕んでいます。
2019年に発生したGoogle Cloud Platformの障害は、その典型的な例で、多くの企業が一時的にサービスを利用できなくなる事態となりました。
隠れたコスト
初期導入コストは比較的低いものの、クラウドの利用が増えるにつれて、そのコストも増大します。
この隠れたコストは、クラウドの総所有コスト(TCO)を評価する際の重要な要素となります。
まとめ
クラウドコンピューティングは、そのメリットを最大限に活用しつつ、デメリットに目を光らせることで、企業のDXを大きく推進します。
これからのクラウドコンピューティングの進化と、それがもたらす新たな価値に期待しつつ
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