データウェアハウスとデータレイク:定義とどう使い分けるか
近年、データの量とその重要性が増しているビジネス環境において、データウェアハウスとデータレイクは中心的な役割を果たしています。
しかし、これら二つの概念はしばしば混同されることがあります。それでは、それぞれの特徴は何か、そしてビジネスでどのように使い分けるべきなのかを考えてみましょう。
データウェアハウスとは?
データウェアハウスは、企業内のさまざまなデータソースから情報を収集し、それを統合・整形して一元的に保存するシステムのことを指します。
この情報は、事前に定義されたスキーマ(データの構造)に従って保存されます。
例:大手小売業者が、各店舗のPOSシステムやオンライン販売データをデータウェアハウスに統合し、全体の売上分析や在庫管理を行うケース。
データレイクとは?
データレイクは、原始の形でのデータを大量に保存するシステムを指します。
これには、構造化データだけでなく、非構造化データや半構造化データも含まれます。
スキーマはデータが問い合わせられるときに適用されるため、スキーマオンリードとも言われます。
例:SNSサービス提供者が、ユーザーの投稿データやクリックストリームデータをデータレイクに保存し、後からこれらのデータを分析するケース。
使い分けのポイント
・目的
データウェアハウスは、事前に定義されたビジネスの質問やレポートに答えるためのもの。
一方、データレイクは、将来の未知の質問に答える可能性も考慮してデータを保存するもの。
・データのタイプ
非構造化データや大量のデータを取り扱う場合、データレイクが適している。
構造化データの分析が目的の場合は、データウェアハウスが有利。
・柔軟性
データレイクは、データの型や構造に制約が少ないため、新しいデータソースの追加や変更が容易。データウェアハウスは、スキーマの変更が必要な場合がある。
実際の企業での利用シーン
・製薬会社
研究データや実験データをデータレイクに保存。
これを基に新薬の研究開発を進める一方、販売データや市場データをデータウェアハウスに保存して、営業戦略を策定。
・メディア企業
視聴者の行動ログや動画データをデータレイクに保存。後から視聴傾向の分析やレコメンドシステムの構築を行う一方、広告データや契約データはデータウェアハウスで管理。
まとめ
データウェアハウスとデータレイクは、それぞれ異なる目的と特性を持つデータストレージソリューションです。
ビジネスの目的や取り扱うデータの特性に応じて、適切なものを選択し、データの価値を最大限に引き出すことが重要です。
データの世界は日進月歩で進化しているため、最新の情報や技術を常にキャッチアップしながら、最適なデータ戦略を構築していきましょう。
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